熊本県の降水量分布図
3 熊本地域の地下水の現状
(1)地下水の流動
熊本地域の地下水の流動
○主要な流れ
阿蘇外輪山西麓の台地部や白川中流域(地下水プール)一帯でかん養され、西南の熊本平野方面に流出
○その他
西北部の植木台地や南部の御船山地等から熊本平野方面に流出
特徴 : 地下水プールや分水帯の存在
地下水流動図(熊本地域)
(2)地下水位の変動
熊本地域の地下水位は、長期的には台地部では低下傾向
菊陽町辛川観測井 約3.36m低下(S57→H22)
水前寺観測井 約0.31m低下( 〃 )
※ただし平野部では上昇傾向
熊本市並建観測井 約1.15m上昇(H1→H22)
年間変動幅はかん養域で大きく、流出域で小さい
地下水位観測井変動グラフ
(合志・菊陽・水前寺・並建)
地下水位の経年変化
(観測井:菊陽町辛川)
主要観測井における地下水位の位置
(熊本地域)
(3)湧水量
熊本地域の代表的な湧水地である江津湖の湧水量は、長期的には地下水位の低下とともに減少傾向
平成4年と平成18年の比較では日量約45万㎥から約38万㎥へと約7万㎥減少
降水量の多少と密接な関係
江津湖
江津湖湧水量の変化グラフ
(九州東海大学調べ)
湧水量の減少
江津湖の湧水量
枯渇した湧水地
(熊本市亀井) (熊本市八景水谷) (合志市須屋)
4 地下水減少の要因
(1)土地利用状況の変化グラフ
宅地等の地下水の非かん養域の増加
重要なかん養域である水田作付け面積の減少(休耕田、転作田)

(2)地下水採取量の経年変化(熊本地域)
総量的には減少傾向
最大の取水量を占める水道用水は、高め横ばい

熊本県内の地下水採取量(平成21年度)
対象井戸:指定地域 吐出口断面積 6㎠超
指定地域外 〃 50㎠超
生活用水使用量比較(一人一日当たり)
5 将来予測
(1)予測条件
①かん養域は、平成2~18年度の平均減少率1.12km2/年が継続する。
②地下水採取量は、平成18年度採取量186.2百万m3が継続する。
③降水量は、平年値に近い平成11年の降水量1,946mmが継続する。
(2)予測期間
平成19年(2007)(600百万㎥)~平成36年(2024)(563百万㎥)
その差は、3,700万㎥
(3)予測結果
地下水かん養量は約3,700万㎥減少
地下水位も低下傾向
湧水量も減少傾向
地下水位の低下(将来予測)
湧水量の減少(将来予測)
熊本地域地下水総合保全管理計画(H21~36)
熊本県と熊本地域の11市町村で策定
第1期行動計画(H21~25)
・策定時期 平成20年9月
・策定主体 県と13市町村 (※現在11市町村)
・目標年次 平成36年度
・計画の対策等
A 地下水かん養対策
B 節水対策
C 地下水質保全対策(⇒硝酸性窒素汚染対策)
D 熊本県地下水保全条例の見直し(⇒採取の許可制)
E 地下水保全の普及・啓発
F 地下水のサスティナビリティー(持続的な水循環)を
確立するための仕組みづくり(⇒くまもと地下水財団)


水源かん養林
・国、県、市町村 ・企業(NEC九州の森等) ・団体(漁民の森等)

白川中流域水田湛水事業 (平成16年度から開始)
白川中流域の水田は、県内水田の約5倍以上の高い浸透能力(減水深)
→このため、県が上下流の調整役となり減反等の休耕田に水を張り、地下水かん養の取組みを展開
●実施主体;地元農家(大津町、菊陽町、熊本市)
●助成主体;熊本市、ソニーセミコンダクター九州(株)、熊本県果実農業協同組合連合会、(財)化学及血清療法研究所、㈱山内本店
●協力;大津町、菊陽町、地元4土地改良区、JA菊池等
●平成23年度実績;水田湛水実施延べ面積629.2ha
推定かん養量 約1,888万m3
地下水質の保全
地下水汚染対策は未然防止が基本
工場・事業場・農業・家庭等で
一旦汚染したら、回復には莫大な費用と長期間の浄化対策が必要
特に、近年は熊本地域の台地部での硝酸性窒素汚染対策が課題(症状:乳幼児のヘモグロビン血症)
主な汚染原因 : 過剰施肥、家畜排せつ物、生活排水
↓
地表の水・土をきれいにすることは、地下水もきれいにすること
硝酸性窒素濃度分布図 (熊本地域)

平成19~21年度地下水質調査における硝酸性窒素濃度分布
地下水保全にあたっての基本的な考え方
「公共性」の視点
「未然防止」の視点
「協働」の視点

住民・事業者・行政が一体となった取組みを
地下水は地域共有の貴重な財産 ⇒公共水
私達自身の意識改革
地下水に対する危機意識が希薄 : 現状認識
地下水に対する意識の改革:“限りあるもの”
私達は今何ができるか?
主体的な行動を
身の回りからの行動 : できるところから
継続的な行動 : 一歩、一歩
事業者 : 企業市民としての社会的貢献を(⇒地域と共存)